敵国へ嫁がされた身代わり王女は運命の赤い糸を紡ぐ〜皇子様の嫁探しをさせられているけどそれ以外は用済みのようです〜
第4話 第二皇子の嫁探し2
ハルディオ帝国の二番目の皇子はクラウス・ハルディオという。トラヴィスの一つ下で現在十九歳だ。
オーレリアはトラヴィスの近侍・フレディにクラウスがいるところまで案内してもらう。着いた場所は修練場だった。
フレディに「一番奥にいる方がクラウス様です」と教えてもらうと、素振りをしている青年に目を凝らす。
物語に出てくる皇子様のような容姿のトラヴィスとは違い、クラウスはがっしりとした体躯をしていて眉は太く、凜々しい顔立ちをしていた。
軍部統括部に所属しいて、近衛第一騎士団の団長を務めている。風貌にぴったりな肩書きだった。
皇子で団長も務めているし、鍛え抜かれた身体は引き締まっていて、見るからに頼もしい。いろんな要素を兼ね備えたハイスペックなクラウスに令嬢たちが秋波を送らないわけがない。彼が舞踏会に姿を現せばたちまち黄色い声が上がりそうなものなのだが。
はて、とオーレリアは顎に手を当てて考え込む。
「年齢に問題はなく、容姿も好みが別れるにせよ整っていて凜々しい。クラウス様の何が問題なのかしら?」
思ったことを率直に口にすると、後ろで控えていたフレディが淡々と事情を説明してくれた。