きっともう君には会えない

隠し事は密かに歪む

「葉津乃ーっ!!筆箱忘れたー!ボールペン貸してぇ…」




私はまるでゾンビのように葉津乃にしがみついた。




「はいはい、貸しますよ。
ってか最近天野は忘れ物多すぎーっ!!」



「ううっ……み、耳がっ!!声大きいー!!」



「だって!!この前は体操着その前は教科書ノート
修正テープ、上靴、のり、プリント…」





葉津乃は指を折って丁寧に数える。





「もっ、もうやめてぇ……
ってかなんでそんな覚えてんの…」




「はぁ、昔っからもの無くすクセ治んないねー
しかも無くした物は永遠に帰ってこないし」




「…っ。……そうかなぁ〜?家では使ってるよ!」




「ふぅーん。それならいいんだけどさ、天野優しいから
いじめられてるんじゃ〜…なんて思ってたんだよね」




背筋がひやりと冷たくなって
手から汗がじわりとにじんだ。




「っ……!?…そんな、そんな訳ないよー。
全く心配性だなぁー。…………まぁ、ありがと」





「うふふっ、もしいじめられてたら私がボッコボコの
フルボッコにしてやっかんなー!」





「……うん。」





危ない。……核心をつかれた。

葉津乃って妙に勘が鋭い所あるから注意しとかないと……



私の計画が止められないように。
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