きっともう君には会えない
「おはよー」
「あっ……お、おはよ」
危ない危ない。ぼーっとしてた、光輝に声を掛けてもらわなければ日直の仕事をやり忘れるところだった
……昨日の出来事が頭を巡り続けている。
「……なんか具合悪い?保健室行くか?」
「えぇっ!?そんな事ない大丈夫だよ。」
「ふーん、天野の大丈夫って大体信用出来ないけどなー」
……幼なじみじゃ無ければこんな風に勘づかれる事なんて無かったのかな。
「えへへっ……大丈夫、平気だから。」
「……そっか。あ、そういえ…」
「あーーー!!光輝君!!久しぶり〜。」
光輝が、何か話そうとした時“あの子”がやってきた。
「っ……。」
思わず光輝を見つめてしまう。
見たくもない、あの子の所に行くのをもう見たくない。
そんな自分勝手な感情が私を動かす。
「光輝……行っちゃうの?」
「……っ。ごめん」
私が掴んだ光輝の裾はするっと解けてしまった。
あぁ…馬鹿だ私、何してるんだろ
私は裾を掴んだ手をそっと握りしめた。