きっともう君には会えない
「あれっ?天野っち今日は珍しく長袖?」
「あ、う、うん。ちょっと暑かったら」
葉津乃はいつも通り痛い所をついてくるな…
「いや、ちょっとどころじゃ無いよ。
今日最高気温30℃。その格好はヤバいって……
い、色んな意味で…」
「……?」
どういうことかと困惑している時にふと
見覚えのある影が私を包み込んだ。
「よっ!おは…………っ!?」
光輝がいつも通り挨拶をしようとしたらしいが
なにかにびっくりしたのだろう
完全に…フリーズしている。
「ほら、こういう事。」
「え?どういう状況?えっと……え?
光輝、なんか変なことあったかな……」
私が目線を上にして光輝に話しかけると
不意に何かを掛けられた。
「……っ。と、とり、とりあえず羽織っとけ。」
そう言い残し光輝は去っていった。
よく見ると光輝のジャージだ。ふわっといい香り
がする