きっともう君には会えない
「えっ?……葉津乃本当に何なの?」



「えぇ……これだから天然って怖いのよねぇ。
ん"ん"っ、その……ね」




葉津乃が耳元で囁く。




「なんかエロいの。」



「……は?」



「だ・か・ら!!……今日の天野、なんかエロいの!!」





キョウノハツノナンカエロイ……

一瞬理解が遅れてしまった。




「はぁーーーーっ?
なに馬鹿なこと言ってんの?私に色気の“い”の字も
無いってのに。なんの嫌味?」



「くっ……じゃ証拠!!見よ、自分の姿っ!!」




鏡に映る自分は……確かにそうだった。




「は、ほ、本当だ……」



「でしょ!?天野って持久走の時もだったけど汗かくと色気ヤバいよね。」



「汗って…なんか褒められてる気がしない…」



「そう?これでどんな男もイチコロだよ!!」




葉津乃はそう言ってグーサインをしてくれた。




「……だといいんだけどねぇ。」




私は机に頬杖を立てて窓から外を眺めた

清々しくて劣等感を抱くほど綺麗な青空だった。
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