きっともう君には会えない
「えー?いいじゃん。まるで勇敢な小鹿……」



その言葉を発せられた瞬間

私は光輝のお腹に華麗なグーパンした。




「次言ったら殴るからね。」



「ゔっ……もう殴ってるよね?」



「あ、ほんとだ」



「無自覚かよっ…」





光輝は方を揺らしてわらう。


そういう、たわいもない話をしながら

海が見える道を2人で歩く。



久々だなぁ、こうして一緒に帰るの。


なんとなく心がポカポカしてきたその時だった






「わぁっ!!……いたっ………ゔわぁっーーん!!!」





1人の男の子が目の前で転んでしまった。


膝には血が滲んでいる。


私は軽く目眩が起きたが

男の子の所に駆け寄った。






「大丈夫っ!?
いま、お姉ちゃんが手当するからね〜大丈夫だよぉー!」





出来るだけ軽く、ふわっとして

優しい口調で駆け寄ると


男の子はみるみる内に涙が引いていった。




私はテキパキと水筒の水で男の子の膝を洗う。




そしてたまたま今日は持ってきていた



ハンカチで水気を取ってから

絆創膏を貼ってあげた。







……なんでだろ、目眩がする。





踏ん張らないと直ぐにでも倒れそうになるけれど



男の子に心配掛けられないから


頑張って踏ん張ろうとする。
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