きっともう君には会えない

わがまま聞いてください

「天野ー。聞いてる?」



「うえっ!?あ……あぁ聞いてるよ?」



「怪しい…まぁいっか!!
それでね、それでねっ、じゃじゃーん!!」





葉津乃は思いっきり私の前に広告を広げた。





「…花火大会?」



「そうっ!!天野は今年誰と行く ?」




花火大会…考えた事も無かった。




「これは内に秘めた淡い初恋をぶつけるチャンスだよ!
…ほら噂をすればなんとやら…光輝く」



「す、ストップ!!
あんまりおっきい声で言わないでっ…」





葉津乃は私の光輝への気持ちを知っている。

だから応援してくれているんだけど…


光輝は……桃花ちゃんの事を。



だから、そんな事出来ない。困らせるだけだ。
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