きっともう君には会えない
「…っな、何それ」



こいつ…本当に罪な男。



そんな事言われて冷静になってられる奴が居るか

と心の中で愚痴をぶつける。


でも、こうして居られるのもあと少し

そう思うと寂しくなる。

自分で決めたことなのに。











最後くらい、わがまま言ってもいいかな?






最後くらい、迷惑かけてもいい…かな?









「…光輝、夏休み花火大会 一緒に行かない?」


「…え?」




光輝は目を見開きながら固まった。




「……ごめん。なんでもないよ。そういえばさ、」



「いいよ。一緒に花火大会行こ」



「……へ?」




一瞬、耳を疑った。





「だから、花火大会一緒行きたいって言ってんの!!」




なんか、取り乱してる気がする。

光輝ってあんまりそういうの顔に出さないタイプなのに

なんだか意外。




「……ありがとう。じゃあ、7月21日の午後3時から集合でいい?」


「ぷっ…めちゃくちゃ計画立ててんじゃん」
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