― 伝わりますか ―
 初めて会った時のこと。

 遠くへ遊びに行ったこと。

 みんなみんな咲いては散っていく想い出。崩れては崩れては、砂になって積もっていく想い出。

「梢……ねぇちゃん──」

 誰かがべそかいて泣いていた。梢は最後の笑みを映す。

 ──好きだった……みんなの笑った顔。柊乃祐様のはにかんだお顔。だから、泣かないで。いつもあたしはそばにいるから。

 声にならない声。音にならない音。みんなの泣き声、風になって消えた。

 ──だから、泣かないで──。

「~涙なんて 朝顔に笑われるよ  
  そうさ笑って あなたの大切な
  心から大切な……~」



「~愛する その人のために──」



 そして、音が途切れた──。



      【了】








◆以降は2014年に(他サイトにて)連載していた際の後書きです。

 ツイッターにて仲良くさせていただいておりますazサマより、影狼のイラストを戴きました♪

 引き締まった口元が、人生を忍びの道に賭けた、彼の決意の深さを物語っています*

 他にも戴いておりますので、この後の【壱】と【弐】でのご紹介も是非お楽しみにしてください☆

 azサマ、カッコイイ影狼を誠に有難うございました!!


   二〇一五年十二月十一日 朧 月夜 拝


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