― 伝わりますか ―
◆再会 [一]
右京と秋は焦りの表情を浮かべながら、無束院へ向け歩みを速めていた。
二人にとっては慣れ親しんだ森故、道筋は手に取るように見えていたが、気になるのは悠仁采と伊織である。やがて主を探して、信近の配下が二人を問い質すのは明らかであった。
悠仁采の言う通り、医院らしき屋根を見つけたのは、半時もしない内のことであった。その裏山を駆け下り、表を目指すと、板に彫られた其の名は確かに無束院であった。
荒い息を落ち着かせながら門をくぐった二人は、中庭に右京ほどの背丈の人影を見つけた。その者も二人に気付き応対をしたが、さすがにただならぬ雰囲気を感じたのか、足早に医院に赴き明心を呼んだ。
ややあって頤に白髭を蓄えた一人の老人が現れる──明心であった。
いそいそと二人の前まで歩み寄って深く一礼をする。立派な白眉に守られた伏目がちな視線を上げ、右京の顔を見上げて驚愕の表情を表した。
二人にとっては慣れ親しんだ森故、道筋は手に取るように見えていたが、気になるのは悠仁采と伊織である。やがて主を探して、信近の配下が二人を問い質すのは明らかであった。
悠仁采の言う通り、医院らしき屋根を見つけたのは、半時もしない内のことであった。その裏山を駆け下り、表を目指すと、板に彫られた其の名は確かに無束院であった。
荒い息を落ち着かせながら門をくぐった二人は、中庭に右京ほどの背丈の人影を見つけた。その者も二人に気付き応対をしたが、さすがにただならぬ雰囲気を感じたのか、足早に医院に赴き明心を呼んだ。
ややあって頤に白髭を蓄えた一人の老人が現れる──明心であった。
いそいそと二人の前まで歩み寄って深く一礼をする。立派な白眉に守られた伏目がちな視線を上げ、右京の顔を見上げて驚愕の表情を表した。