君の生き血を僕に吸わせて?


「分かった?」

「……っ」

荒くなった呼吸の中で囁かれる。

「……」

元彼より……瑠衣はキスが上手かった。

桁違いに。

脳裏によぎる元彼とのキスが
瑠衣とのキスで上書きされた気がする。

だけどキスのあとは……

放心状態でベッドにへたり込む私の首筋に
瑠衣の牙が当たった。

吸われていく……。

やがて牙が皮膚から離れていった。
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