君の生き血を僕に吸わせて?
「君、可愛いね」
目に少しだけかかった黒い髪の毛を
かきあげるように私を見つめた彼。
ちょっとかっこよかった。
元彼とはまた違ったタイプの顔立ちだけど、
少し見とれてしまう。
あ。もしかしてこれがナンパ…?
そうよね。私そこそこ可愛いし、
ナンパされるに決まってる。
ちょっとした高揚感?に包まれる。
と、いってもこういう時の答え方を、
私はあまり知らない。
とりあえず謙遜してみる。
「そんな事ないですよ〜」
「いやぁ、そんな事あるよ。ところで君…」
彼は私の目の前に回り込むようにして
屈んで、低身長の私に目線を合わせてきた。
「最近、失恋した?」