君の生き血を僕に吸わせて?
帰ろう。そう思ってスタスタ歩き出す私。
でも後ろから腕を掴まれて、
颯爽と彼の腕の中へ引き寄せられる。
「なんで?」
耳元でそう囁かれた。
あまりにスムーズな身のこなしに
私は少し驚いていた。
「なんで、失恋したの?」
超至近距離で目が合う。
とても中性的な顔立ちの彼は
カラコンでも入れているのかもしれない。
少し青みがかかった瞳が私を捉えて離さない。
そして吸い込まれるような
その瞳を見つめていると
私の口からポロリと、言葉が滑り落ちた。
「…キスがヘタだから冷めた、って言われたの」