君の生き血を僕に吸わせて?


「僕が教えてあげようか?」

「…えっ?」

次の瞬間。
私の顎に彼の手が添えられた。
下を向いていた私の顔が強制的に上げられる。

「キス、はこうやるんだよ」

「んっ…」

抵抗する間もなく激しく唇を奪われた。

かと思ったらすぐに離れて、
余裕そうな笑みを零した彼。

「教えてあげるよ?僕、慣れてるから」

愛おしそうな目で私の頬を撫でた彼は
口の端から白い牙をむき出した。

「代償に……
君の生き血を僕に吸わせて?」
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