彼氏の隠し事を知った時、助けてくれたのは私の事が嫌いなはずのクラスメイトでした。
そう思った俺は渡り廊下の見える壁からこっそりと覗くことにした。
笹城が俺側を向いているから、相手はみえない。
誰だ、告ってるやつ。
『わ、わた、わたた…』
笹城、緊張して噛みすぎだ。
少し間を空けてからようやく落ち着いたのかもう一度笹城が話しだした。
『私も、“鬼道くん” が好きです。私でよければ付き合って下さい!』
まじか。笹城OKしてんじゃん。
でも、“鬼道” ? どこかで聞いたことある名前…あっ!思い出した。
あいつ、ギャルと歩いてたやつじゃねぇか。
あいつら、もう別れたのか?
そんなふうには見えなかったけどな。
俺がそう考えている間に話し終えた2人がこちらに歩いて来るのが見えた。
やばっ、隠れねーと!
慌てて近くの自販機の後ろに隠れて、2人が通り過ぎるのを待った。