彼氏の隠し事を知った時、助けてくれたのは私の事が嫌いなはずのクラスメイトでした。
すると、じーっと視線を送りすぎたせいか、ちらっと片木くんがこっちをみた。
わっ!目があっちゃった。
私片木くんちょっと苦手なんだよな。
ほかの女の子にはさっきみたいな笑顔を向けるのに、私に対してはすごく冷たい顔をする。
今も目があった瞬間、クラスの中だから一瞬だけど、周囲を凍らせるような冷たい目を向けられた。
やっぱり怖い。
なんて思っていると、片木くんが女の子たちに一言二言伝えると、私の方へ歩いてこようとした。
残念そうな女の子たちは、片木くんがこっちを向いた途端、思いきり私を睨んでくる。
どうしよう。この状況。
1人でオロオロ仕掛けた時、教室の扉から
「愛奈いる?」
という声が聞こえた。
低くて周りに人を寄せつけないような声。
「来人!」
私は思わず、持っていたシャーペンを机の上に放ってしまった。
そしてそのまま、片木くんたちのことを忘れて扉まで走りよる。