彼氏の隠し事を知った時、助けてくれたのは私の事が嫌いなはずのクラスメイトでした。

わくわくとした気分で椅子に座ろうとすると、先客がいた。


「あっ、笹城さん帰ってきた。おかえり。」

ひらりと手を振って笑顔の片木くんがそう言う。


忘れてた。そういえば片木くん、私に用があるみたいだった。


なるほど。日直のお手伝いしてくれようとしてたんだ。


「ありがとう。片木くん。」

お礼を言うと、片木くんはすっと空いている前の椅子を指し示し、「大丈夫だよ。」と言う。


あれ?どうして私が前の席なんだろう。

片木くんがこっちに座ったらいいのに。


そうは思ったけど、早く座れよ的なオーラを指先から感じ、これ以上考えないことを決めた。

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