彼氏の隠し事を知った時、助けてくれたのは私の事が嫌いなはずのクラスメイトでした。
「笹城、またあいつに会ってんだな。」
周りに人がいない、いても片木くんと私に興味を示していないことを確認し、日誌を書くふりをしながら顔を近づけてくる。
ぼそっと吐く言葉は普段の片木くんからは想像できないような悪魔っぷり。
多分この片木くんを知っているのは学校中を探しても私だけだと思う。
「あいつって来人のこと?」
問いへの他に誰がいるんだよというツッコミをうけながら私は答えた。
「もちろん会ってるよ。付き合ってるからね。それに帰り一緒なことも多いし。」
律儀に答えるべきなのかは迷ったけど、来人を悪く言おうとしてるようにしか見えないから訂正しないと。
「付き合ってるのは知ってるけど、俺はあいつ反対だから。笹城にあってないよ、あいつ。」