恋がはじまる日 (おまけ)

 藤宮くんは静かに私を抱き寄せると、安心させるように優しく抱きしめてくれた。


「ふ、藤宮くん!?きゅ、急にどうしたの!?」


 戸惑いながらも、藤宮くんの優しさに心が温かくなる。


「佐藤が何を不安に思ってるのか知らないけど、」


 藤宮くんはそう言いながら私の頭を撫でる。


「俺とお前、大学一緒だぞ」


「………………」


 ん?今なんて言った?


 藤宮くんと私、大学が一緒???


「え、ええええええ!?!?!」


「やっぱり知らなかったのか」


「え!?どういうこと!?私の通う大学、藤宮くんも通うの!?」


「そう」


「嘘…」


「嘘ついてどうするんだよ」


 全っ然知らなかった…。同じ大学だなんて。


「まぁ、佐藤のことだから知らなそうだな、とは思ってたけど」


「もっと早く言ってくれてもよかったのに!」


「俺と離れるって考えて、寂しかった?」


「もうっ!そうやっていつもからかうんだからっ!!」


 なんだぁ~そっかぁ…。もう学校で会えることはないと思っていたけど、春からも藤宮くんと一緒に学校に通えるんだ!嬉しい!!

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