「一緒に虹を、見てみたい」
──そんな中、二人濡れながら玄関先で立っていると、ガレージから嶋原君が出てきて、彼は私達を見て首を傾げる。
「どうかした?」
「あ、いや、ううん。何でもない」
私は取り繕って走って玄関の中に入ると、ギュッと掌を握って胸に当てる。
ビ、ビックリした……。
その後はいつも通りの態度をする塩見君は、花火の片付けが終わると、やがて三人は帰って行った。
すると、玄関で三人を見送っていると、おばさんがパタパタやって来て、私の隣に並んできた。
「希花ちゃん、ごめんなさいね。私、希花ちゃんの母、だなんて、言おうとして……」
「いえ、そんな」
「でも、私達のこと、まだ両親だとは思えてないでしょ? 急ごうとして、反省してる」
言い返すことができずに、私は曖昧に首を振るだけ。
変わりたい、変われたらとは思っているのに……。