「一緒に虹を、見てみたい」
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十二月二十四日、私は誘ってくれた塩見君と、二人でこの街を出ていた。
今A街は晴れているから、電車で隣街に入っても、天候に変化はない。
「今日すげー冷えるね」
電車がホームに着いて、扉が開いた瞬間、冷気が体を包む。
クシュンッ、と塩見君はくしゃみをしたものの、すぐにニッと笑った。
「あ、風邪引いてるわけじゃないから。じゃあ、適当にデパートでも見て行こうか」
街はクリスマスカラーに染まり、駅前には大きなモミの木がデコレーションされて設置されている。
辺りを見渡すと、カップルばかり。もしかしたら自分達も、同じように見えているのかもしれない。
デパートに入ると、軽快なクリスマスソングが流れ、入り口で子供達がノリノリではしゃいでいる。
負の感情なく、本当に楽しそうな姿に、私は微かに口角を上げた。
「ねぇ恵口さん、千円くらいで、お互い何かプレゼントを贈り合わない?」
「プレゼント……?」
「せっかくのクリスマスなんだしさ。三十分後に、またここで集合しよう」