「一緒に虹を、見てみたい」






「ごめん、色々考えたんだけれど、思いつかなくて」

「えっ、うわ、これってお菓子じゃん」

 子供に送るようなプレゼントを見て、塩見君はケタケタ笑う。

「まさかこれだとは思わなかった。でも、そうだね、うん。俺、子供みたいだからなぁ」

「ごめん、そういう意味じゃなくて」

「でも、恵口さんのプレゼントだと思うと、すげー嬉しい」

 塩見君は嬉しそうにお菓子を見て、私に笑いかけてくる。

「俺の方のプレゼントも、見てみてよ」

 言われ、私とは対照的な小さな包みを広げると、赤いリボンのバレッタが入っていた。

「わぁ……凄く、可愛い」

「見た瞬間、恵口さんに似合いそうだなと思って、即決だったよ」

「ありがとう」

「気が向いた時、付けてね」

 デコレーションされたケーキを食べて、その後街をぶらぶらしていると、やがて日が沈み始め、電灯に明かりが灯った。





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