「一緒に虹を、見てみたい」
ズラリ並ぶ木々にも、オレンジ色の電球が付けられており、キラキラ。
暫く歩くと、光の海を通り過ぎ、芝生は七色のレインボーカラーに輝く。
とても美しい光景にわぁ……と、思わず声が漏れると、塩見君は握っていた手に力を入れてきた。
「好きな人と一緒だと、益々綺麗に見えるなぁ」
「……ハ、ハハ」
「恵口さんは俺のこと、嫌い?」
「嫌いじゃないけれど……」
じゃあ好き? と、聞かれ反応に困ると、塩見君は繋いでいた手を、彼のコートのポケットに突っ込んだ。
「今はどっちでもいいや。時間かけて、俺のこと好きになってくれればいいからさ」
そう言われると、ここではっきり断ることも出来ずに、流されたままになってしまう。