「一緒に虹を、見てみたい」
~嶋原空也~
月日は三ヶ月を過ぎ、たった今、新しい年を迎えた。
だが、気温は生暖かいまま、昼夜だけを繰り返す毎日。
俺はベッドの上に座ると、窓から真っ暗な世界を見つめていた。
──トントン。
そんな中、突然扉をノックされる音が聞こえて、こんな遅くに誰だろう、と恐る恐る開けてみると、そこには毛利ナズナが立っていた。
「嶋原君、あけましておめでとう」
「こんな時間に何してんの」
「年明けくらい夜更かししたいなと思って、入っていい?」
「いいけど……」
毛利はふふっと微笑むと、真っ暗な部屋に入って来て、ベットにいる俺の隣に座ってくる。
「おい」
「別にいいじゃん、変なことしてるわけじゃないし」
枕元の小さな電気を付けると、毛利のやっと表情が見え、若干悲しげに見えるのは、気のせいか。