「一緒に虹を、見てみたい」
第七章 『一枚の写真を残して』
~恵口希花~
「俺、塩見。塩見健太、これから宜しく」
「私は石黒春菜。嶋原、宜しくね」
翌日、何度も見たやり取りを終えると、嶋原君は石黒さんから貰った授業ノートをじっと見つめる。
「もう、全然知らないことばっか」
留年だろうな、と言う嶋原君に、石黒さんは苦笑いする。
「まぁ、今は授業聞いてるだけでいいと思うよ」
本当に久しぶりに、隣の席に嶋原君が座っている。
授業中、チラチラ見ていると目が合って、嶋原君は微笑した。