「一緒に虹を、見てみたい」
女子生徒の方は男子生徒のピッタリくっ付いていて、きっとカップルなのだろう。
「嶋原君、変わらず本当に可哀想だよね」
「俺だったら耐えられねーわ。その現象、俺に起きなくて良かった」
自分じゃなくて良かった、なんて、実際に起きてる人の前で言うなんて、あり得ない。
「まぁどうせ、今一緒にいるその子のことも、すぐに忘れるんだろ。お気の毒だな」
「嶋原君、可哀想~」
言いたい放題の二人は、悪びれた様子もなく、寧ろ笑っている。
「……そんな、言い方」
私はギュッと握りこぶしを作ると、思い切って声を出していた。
「そんな言い方、しないで下さい」
「は?」
「嶋原君のこと、馬鹿にしないで」
言うと、二人ともこちらを睨み付けてきて、私は一歩後ずさろうとしたが……ここで逃げては終わりだと思って、何とか動かない。