「一緒に虹を、見てみたい」
「でもどうせ、この空の調子じゃあ、またすぐにあっちに戻らなくちゃいけない気がしてる」
もう諦めているからなのか、嶋原君は仕方のない状況を受け入れているように見受けられた。
今度あっちに連れ戻されてしまったら、もう嶋原君は帰ってこれないかもしれない。
本当に、世間が騒いでいる通り、もう二度と私の前に姿を現せないかもしれない。
──そんなの絶対に嫌だ……。
「あ、ごめん。ちょっと電話入ったから行ってくる」
そんな中、ふと電話に気付いた塩見君が席を立つと、私は嶋原君と二人になってしまい、言葉を選ぶ。
「私……嶋原君と二人で、街のプラネタリウムを見に行ったんだよ」