「一緒に虹を、見てみたい」
第十章 『また会う日まで』





~恵口希花~

 嶋原君が消失して、一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月……。

 年が明けると、すぐセンター試験が待っていた。

 嶋原君が消えたことを理由に怠けてはいられず、徹夜続きの猛勉強の末、私は志望大学の合格ラインの点数を取ることができたのだ。

 二月に入ると、学校は週一登校に入り、私は家で過ごすことが多くなり、あっという間に三月。

 再び、寒さがほのかに暖かさに変わる季節がやってきた。

 ──もう、私は高校を卒業だ。

「はい、じゃー皆、前に集まって」

 授業中は怖い麦野先生が、男泣きをしている。

 クラスメイトが前に集まると、カメラマンや保護者達がクラス写真を撮っていく。




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