「一緒に虹を、見てみたい」
~恵口希花~
嶋原君が消失して、丸一年が過ぎた十月。
そしてまた、一ヶ月、二ヶ月、十二月のクリスマス、私は洋菓子店でアルバイトをしてるため、クリスマスを忙しく過ごしていた。
「ありがとうございます、またお越し下さい」
お礼を言って、ホールの入ったケーキボックスをお客に渡す。
授業はちょうど今日までで、昼過ぎまで授業を受けると、私はすぐに洋菓子店に向かっていた。
そしてせかせかした時間を過ごす頃、時刻は午後九時、閉店を迎え店内の清掃を行う。
「二人とも、お疲れ様」
同じバイト生と更衣室で着替えをしていると、店長さんがやって来て、大きなケーキボックスを二つ持ってきたではないか。