「一緒に虹を、見てみたい」
今日は成人式と同時に、私の誕生日でもあり、この日私は二十歳になった。
ざわつく館内、市長の挨拶や中学校別のお祝いムービーを見ながら、私は外の様子をチラチラ気にしていた。
いつ雨が降るのか、夕方なのか、夜なのか。
まもなく式が終わり、学校毎の記念撮影が開始される時、参加せずに館内から出ようとすると、既にサーッと雨が降っていた。
そしてすぐに携帯で取り出すと、嶋原君からメッセージが届いているではないか。
嶋原君が消失した二年前、帰ってきたら連絡を下さい、と送っていたのを、きっと遅れて見たからだろう。