「一緒に虹を、見てみたい」
──父は、即死だった。
母は、集中治療室で何とか意識回復したかと思われた矢先に、急変して死去。
あっけない最後。私はまともに二人と話さず、別れを告げなくてはいけなくなってしまった。
泣いても、泣いても、それでも二人は戻ってこなかった。
父方の両親は既にどちらも亡くなっており、母方の両親は離婚し、祖父は他の女性と再婚。
祖母は高齢出産で私の母を生んでおり、既に老人ホームで生活をしていた。
私の引き取り手は誰もおらず、自宅付近の養護施設に預けられ、私の新しい生活はスタート。