同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
そう言って、わたしに微笑む雪夜さん。

だけど、言っていることと表情がまったく合っていない。


その表情は、まるでお面をつけているかのようにどこか不自然で――。

目が笑っていない。


それを見て、昨日の藍の言葉を思い出した。


『雪夜は、面を被ったような嘘くさい表情と態度が俺は気に食わない』


藍が言っていたのは、このことだったんだ。


雪夜さんは、細めた目でわたしを見下ろす。


「女とは恐ろしいものだな。純粋なフリをして、おれを騙すとは」

「で…ですから、雪夜さん。さっきからなんのことなのかわたしには――」

「ふざけるな!雪夜さんをあざむこうとした…この悪女め!」


そんな野次が白虎のメンバーから飛んでくる。

悪女呼ばわりまでされて、ここでは完全にわたしは悪者扱いだ。
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