同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
どうしよう、どうしよう、どうしよう…!

また藍を怒らせてしまった。


コーヒーゼリーは1個3000円だったけど、特上握りの盛り合わせとなると…いくらだろう。

さすがに今回は、この前みたいに…見逃してはくれないよね。


「お前な…」


藍がゆっくりとわたしに歩み寄る。

怒られるとわかっているわたしは、肩をすくめてうつむく。


――すると。


「はぁ〜…。もういいよ、チャラで」


頭の上からそんな言葉が降ってきた。


「…え?」


わたしは驚いて顔を上げる。


「なんとか親父の寮見学をクリアすることができたし、婚約者の“フリ”としては上出来だった。だから、そのご褒美ってことにしといてやるよ」

「藍…!」 


そんなふうに言われたら、無愛想な藍がまるで神様のように思えてしまう。
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