同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
〈え、今?…まあ、いいけど〉 


そう言った藍は、スマホの画面を上にしてテーブルに置いた。

そして、スピーカーボタンをタップする。


「親父がお前に話があるんだって」

「…わたしに?」


わたしは、藍のスマホに顔を近づける。


〈こ…こんばんは。朝陽うみです〉

〈お〜、うみくん。今日はありがとう〉

〈いえ、こちらこそありがとうございました。…それで、お話というのは……〉

〈いや〜、キミみたいな人がそばで藍を支えてくれていると知って安心した。藍の父親として、心から礼を言うよ〉

〈いえ、そんな…〉


わたしは偽の婚約者だから、そう丁寧にお礼を言われると心苦しい。

それに、藍との同居も今日で最後だから――。


〈近くを通る際は、また遊びに行かせてもらうよ〉


……へ…?
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