同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
その手が頬をなでるように滑り、わたしの顎に添えられる。


あっと思ったときには、愛おしそうに琥珀くんがわたしの唇を見つめていて――。

琥珀くんがわたしに唇を重ねる。


――その寸前、わたしは琥珀くんの胸板を手で押しのけた。


「…こんなの違うよ!」


一歩下がり、琥珀くんに目を向ける。


「琥珀くんの言うとおり…たしかに藍のことで悩んでる。そのせいで泣きそうにもなってる」


わたしはぎゅっと胸に当てた手を握りしめる。


「だからって、かわりに琥珀くんになぐさめてほしいわけじゃない…!」

「ぼくはいいんだよ。そらちゃんのためなら、藍くんかわりになったって」

「…それは間違ってるよ!」


わたしは、琥珀くんを藍のかわりにしようなんて考えていない。

それに、藍のかわりなんて存在しない。
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