同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
「それを『熱がある』って言うの!とにかく、藍は寝てて!」


ベッドから出ようとする藍を止める。


…まったく、全然治ってないっていうのに。


「とりあえず、なにか飲み物取ってく――」


と言って、藍に背中を向けたそのとき。


「待てって」


藍がわたしの手首をつかんだかと思ったら、そのまま引き寄せられた。

そして、気づいたらわたしはベッドの上に腰掛ける藍の膝の上にいた。


「ら…、藍…?」


これって…どういう状況?


背中が藍の胸板に密着して、まだ熱で侵されている藍の熱い体温が伝わってくる。

すぐそばに藍を感じて、わたしは熱なんてないのになぜか顔が赤くなる。


「…悪かった」


戸惑うわたしの耳元で藍がつぶやいた。


「き…気にしないで。同居人が風邪引いてたら、だれだって看病くらいするでしょ?」
< 246 / 381 >

この作品をシェア

pagetop