同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
なぜなら、藍が初めてわたしのことを『そら』と呼んだからだ。


「でも、どうしてわたしの名前を…」


この麗帝学園ではわたしは『朝陽うみ』として生活しているから、藍にはわたしの名前を明かしたことはないはずなのに――。


「琥珀が言ってるだろ、“そら”って」


そういえば、唯一わたしの名前を知っているのは琥珀くん。

だから、琥珀くんからは『そらちゃん』と呼ばれている。


「…ずるいだろ。琥珀だけお前を本当の名前で呼んで。俺にも呼ばせろ」


気のせいかな。

そう言って歯ブラシをくわえる藍の頬が少し赤く見えるのは。


「なに見てんだよ。さっさと朝メシ作ってこいよ」

「言われなくても、今からするところ…!」

「ちなみに、今日から俺の分も頼んだ」

「…へ?」

「おかゆ、うまかったからな。もっとそらの手料理食べたい」
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