同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
「そうだけど?」

「その妹の足をこっちでも引っ張ってどうすんだよ」

「…だよね。本来、うみちゃんが追試なんてありえないよね」


わたしを横目で見ながら、お弁当に入っていた卵焼きを口に運ぶ藍。


「だったら、追試で挽回すればいいだけだろ」

「そんな簡単に言わないでよ。時間もそんなにないんだよ…?家庭教師がいるならいいけど、1人で勉強するのにも限度ってものが――」

「いるじゃん。家庭教師なら」

「…え?」


ニヤリと微笑む藍。

その顔を見て思った。


家庭教師って、もしかして――。


その日の放課後。

わたしは学校の図書室の中にある自習スペースにいた。


「…見て、あそこ!」

「勉強…?いいなぁ〜」


わたしのほうを見て、ヒソヒソと話す女の子たち。

そんな小声ですらも、静かな図書室ではわたしの耳に届く。
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