同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
なにも、自習スペースで勉強するわたしの姿が物珍しいから注目を浴びているわけではない。


「ほら、なによそ見してんだよ」


そう言って、わたしの顎に手を添えて顔を自分のほうへ振り向かせるのは――藍。


藍が隣の席から身を乗り出すようにして、わたしに勉強を教えていた。


「わからないところがあったら、すぐに言えよ?」

「わ…わかってるっ」


追試のわたしのために家庭教師役を申し出た藍。

藍は数学のテストで100点だったから、とっても心強い家庭教師。


――しかし。


きょ…、距離が近いっ…!!

顔がくっつくんじゃないかと思うくらい、藍がわたしといっしょにテキストをのぞき込んでくる。


ただでさえ四天王の藍は、とくになにかしているわけでなくても目立つ存在。


その藍が図書室の自習スペースで、わたしに勉強を教えている。
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