同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
「お前…」

「な…なに?」


机から身を乗り出し、わたしに近づく藍。

とっさに体を後ろに引いたら背中になにかがあたって、振り返るとそれはイスの背もたれだった。


はっとしてもう一度顔を向けると、藍の美しい顔がすぐそばまできていた。

長いまつげに思わず見惚れてしまう。


さっきまでの雰囲気とは違い、なんだか妙に甘い空気に包まれているのは気のせいだろうか。


「その…唇」


藍の手がゆっくりと伸びてくる。


…なっ、なになになになに…!?


藍に急接近され、わたしの心臓がバクバクと鳴る。


藍がわたしの頬に触れた。

――そのとき。


「ついてるぞ」


口元についていたなにかを指で払われた。


「……へ?」


キョトンとしながら目を向けると、藍の親指の腹に白いものがついていた。
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