Galaxyな彼は、【完】



「海ちゃん入っていい?」



光の部屋で勉強を見てくれていたはずの暁月さんの声。


「はい」


「ごめん、高校生の時の教科書とか持ってない?」



使いたくって、と言って部屋に入ってくる。



「あると思います。…えっと、」



確かここら辺にあったような…



本棚を漁るけど出てくるのは大学の教科書ばかり。



すると、ぱちっと隣の家に明かりともったのが分かった。



「っ、」



…彗の部屋だ。




一気に速くなる鼓動。



ど、どうしよう。


いや、でも彗なわけない。きっとおばさんとかが、彗の部屋にたまたま入ってきただけだよね。



まさか、ね…



ーーコンコン



「え…?」


その音にハッと窓を見ると、明らかに彗サイズの影。


やばいっ。



私の返事を待たずして、窓が開きそうになるので、必死に阻止する。


もうっ、だから勝手に開けないでって言ってるのに!
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