Galaxyな彼は、【完】



「なんか心臓が痛い…」



「っ、はぁ…?」


掴む手と反対の手で、胸元をぐしゃっと握る彗。


戸惑って、揺れてる表情だった。


何言ってるか全然分かんないんだけど…



「…俺、海は誰にも取られたくない」



突然発された独占欲とも取れる言葉に絶句する。



二重で綺麗な目にとらえられて、離してくれない。


意味がわからなくて、頭で理解するより、顔に熱が集まる方が先だった。



「海ちゃん?」


すぐ側で聞こえた暁月さんの声に焦って振り向くと、彗は素早く窓を閉めていなくなっていた。


言い逃げもいいところだ…



「…顔真っ赤だけど、大丈夫?」



「あ、だ、大丈夫ですっ。教科書…」



そう言って再び教科書を探して、無事見つかったものの、頭は真っ白なまま。
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