Galaxyな彼は、【完】


「ご近所さんの車?」



「…はい」



ハイクラスのやつだっ、って目をキラキラ輝かせて、じっくり近づいて見てる。

やっぱり車好きの人から見たらすごくいい車なんだね。



彗の車だってわかってる私と光は気が気じゃなくて、ソワソワしてしまう。




「俺の車なんっすよ」




そう上空から降って来た掠れた声に心臓が止まったような気がした。



「「え、」」


光と2人、ハモる声。



見上げると星野家のベランダに彗の姿。



キャップを深く被って、部屋からの明かりで逆光になって顔はほとんど見えてないけど、



…何考えてんの?


声でバレる可能性だってあるのに。



表札を見れば星野って書いてあるんだよ?



「本当ですか!めっちゃいいですね」



「かっこいいっすよね。」



幸いにも何も気づいていない様子の暁月さんは、ベランダにいる彗と話して、興奮した様子で車を観察し続ける。



冷や汗が止まらない私と光。


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