Galaxyな彼は、【完】



すると今度は玄関から出て来た彗。


何事もなかったかのように、普通に出てくるから、


「彗何してんの!」


ピッ、なんて呑気に車の施錠を解く彗に詰めよる。



「…あいつ、海の作った飯食ったの?」



不機嫌な声に彗の顔を覗き込むけど、深く被られたキャップで表情があまり分からない。



「え?ああ、うん。家庭教師してもらうお礼にね」



「…ムカつく」



子供が拗ねたような声にきゅんと胸がなる。


…さっきの件といい、なんか変。


「俺の大切な幼馴染取られたくない。」


キャップからちらっと見えた大きな目の奥は悲しそうに揺らいでいた。


悔しそうにむっと噤まれた唇。



どういうこと…?
< 108 / 210 >

この作品をシェア

pagetop