Galaxyな彼は、【完】


「これ、台本?」


ダッシュボードに置かれている『スリーポイントシュート 10話(最終話)』と書かれた冊子


「うん。」


「すごいんだね。ドラマの現場って」



今日初めて見て、彗はあんな中で、たくさんの大人に囲まれて頑張ってるんだって思うと尊敬しかないよ。


「俺的にはセリフ入れるのが1番難しいんだよ。相手なしでやるから」



「そうなんだ…」



「次が最終回で長回し…あ、えっと、カットなしでワンシーン10分の撮影があるんだけど、なかなかセリフ入んねーの。」


え、その間ずっと演技してるってこと…?


でもよく考えたら舞台とかってずっと演技してるんだもんね。



「…練習相手になろうか?」



「え、」



彗の驚いた顔にやってしまった、と思う。



彗はプロなのに、こんな一般人の私なんかでなんの役にも立てるわけないのに。


「じょ、冗談っ!」




「…なって、練習相手。」




「え、私なんかでいいの?」




「もちろん」



くしゃっと笑って目が無くなる彗。


またすぐ連絡する、って嬉しそうに言って、帰って行った。

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