Galaxyな彼は、【完】
「…こ、こちらこそ」
なんか緊張する。こんな私で練習相手が務まるのか。
私がする相手役は、ルナさんの演じる役。
「変なシーンはないから安心しろ」
ってちょっと意地悪に笑ってくる。
「わっ、分かってるよっ」
さっそく立ち位置を指示されて、練習に入る。
「『おい!いいのかよ!お前がいねぇとチームが成り立たねえって、分かってんだろ。』」
「『でも、私はあのチームのマネージャーには相応しくないの!』」
ーーーーprrrr
練習を切り裂くように鳴り響いたスマホの着信音。
いつもマナーモードにしてるのに、忘れてた。
「…あ、ごめん」
「いいよ、出て」
彗の言葉に、スマホを手に取って電話に出る。
「もしもし」
『あ、海ちゃん?この間ごめんね?深夜帯なんてお願いしちゃって。』
電話をしてきたのは暁月さんだった。
わざわざお礼の電話なんてなんて律儀な。