Galaxyな彼は、【完】


「近い。」



掠れて低いご機嫌斜めな声に、ぐいっと引き寄せられて、後ろから回って来た筋肉質な腕の中に閉じ込められる。


「っ、」



ふわり、彗の香りだ…



強制的に保たれた流さんとの距離。



途端に暴れ出す鼓動。



「なんだ、起きてたんだ」



残念ー、ってからかってるように笑う流さん。



「…センサーが働いたんだよ」



耳元で囁かれて、かかる吐息がくすぐったい。



な、なにが起こってるの…?


「なんだよそれ」



「海を守るためのセンサー」



そのセンサーは海限定、らしい。


…なにそれ



「てか、なんで海がいるの」



「夜道歩いてたから、拾った!!」



恒さん…聞いてたんだ。


てか、なんで助けてくれなかったの!?



「流。お前、海に変なことすんじゃねぇぞ」


そういってもう一度釘を刺す。


未だなおバックハグをされている状態の私。


心臓がうるさい。
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