Galaxyな彼は、【完】


顔を上げた瞬間思ったりよりも、近くてつい息が止まる。



「っ、」


「大丈夫か?」


「う、うん…」


キッチンの片隅、交わる視線。



この距離もすぐに終わるって思ってたのに、


その瞳に、吸い込まれそうで時が止まった感覚。



「…す、い…?」



どくんと胸が高鳴る。



「動かないで」



掠れた色気のある低い声


彗の目がすっと変わって、その綺麗な顔が近づいてくるのが分かった。



え?



ど、どうして、近づいてくるのっ?



どうしよう、このままじゃ、キスしちゃうっ




でも逃げられない。



そんなことを考えている間にも、ゼロに近づく距離。



あと、少しで触れる、そんな時、





ガチャーーーー



リビングの扉が開く音がして、2人して勢いよく距離を取る。


我ながら凄いスピード


「…何してんの?」



入ってきた光が私たちの挙動不審な動きを不思議そうに見つめる。

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