Galaxyな彼は、【完】
「なんでこんなところに?」
その言葉に黙り込んでいると、
「…てか、泣いてるの?」
どうした?って混乱した様子でゆっくり近づいてきて、私のことを覗き込む暁月さんに、体がのけぞる。
「…えっと、」
どうしよ、もう頭がいっぱいで、てきとーな言い訳すら考えつかない
いつもならテキトーに、誤魔化せるのに。
「海、待って!」
あ、…やばい。
その声に心臓が嫌な音を立て、身体が震えだす。
後ろから迫ってくる足音、ハスキーな声は振り返らなくても分かる。
「海が帰るなら俺も帰るから」
そっと振り返ると、急いで追いかけてきたのか息を切らしている彗の姿。
もちろんその綺麗な素顔を晒したまま。
ああ、もう終わった
「え、星野彗…!?」
手を口元に当てて、目を見開いている暁月さん。
はあ、と大きなため息をつく。
外に出ているのは私だけだと思ってた彗も、驚いた顔をしてる。