Galaxyな彼は、【完】
連絡したいけど…怖い。
バイト終わり、1週間の空白にほぼ抜け殻の私は力なく歩いて家の前に着くと、彗が隣の家から出てきた。
「彗っ、」
「……おう」
思わず声をかけたけど、目すら合わせてくれない。
「か、帰ってきてたんだ!」
「ちょっと荷物取りに来ただけ。…じゃあな」
そう言って、私の隣を通り過ぎる彗。
…なんで?
「彗待って!なんか私のこと避けてる…?」
「っ、」
必死に彗の腕を掴んで繋ぎ止める。
未だ俯いたまま、彗の表情は見えない。
「私なんかしちゃったなら謝るから…」
お願いだから、嫌いにならないで。
「そう、じゃなくて…」
「え?」
すると彗は大きなため息をついて、突然しゃがみ込んだ。
「あー…だせぇ。」
綺麗にセットされていた髪を、自らの手で荒々しく乱した。