Galaxyな彼は、【完】




連絡したいけど…怖い。


バイト終わり、1週間の空白にほぼ抜け殻の私は力なく歩いて家の前に着くと、彗が隣の家から出てきた。


「彗っ、」


「……おう」



思わず声をかけたけど、目すら合わせてくれない。



「か、帰ってきてたんだ!」


「ちょっと荷物取りに来ただけ。…じゃあな」



そう言って、私の隣を通り過ぎる彗。


…なんで?



「彗待って!なんか私のこと避けてる…?」


「っ、」


必死に彗の腕を掴んで繋ぎ止める。


未だ俯いたまま、彗の表情は見えない。



「私なんかしちゃったなら謝るから…」


お願いだから、嫌いにならないで。



「そう、じゃなくて…」



「え?」


すると彗は大きなため息をついて、突然しゃがみ込んだ。


「あー…だせぇ。」


綺麗にセットされていた髪を、自らの手で荒々しく乱した。
< 65 / 210 >

この作品をシェア

pagetop